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出汁が薄いと言われる理由と純手打ちうどんへのこだわり

5 日前
読了時間: 5分

こんにちは。

店主のちえです


Googleなどの口コミをAIがまとめる時代になりました。良い口コミも悪い口コミも、短い言葉にぎゅっと圧縮されて表示されます。


その中で、ときどき出てくる言葉があります。


「麺がまばら」

「出汁が薄い」


麺については、正直に言うと「あえてそうしています」とお伝えしたいです。純手打ちうどんにしている理由のひとつは、麺を均一にしすぎないためです。


太いところ、細いところ、少しねじれたところ。そこに手打ちの食感があります。すするたびに表情が変わるのが、純手打ちの良さだと思っています。


もちろん、好みはあります。均一な麺がお好きな方には、機械打ちのうどんが合うと思います。


手打ちの麺には、一本ごとに違う表情があります。
手打ちの麺には、一本ごとに違う表情があります。

麺がまばらなのは、手を抜いているからではありません


純手打ちのうどんは、工業製品ではありません。


もちろん、ただ雑に切っているわけではありません。生地を練り、寝かせ、のばし、切る。その過程の中で、手の感覚を頼りに仕上げています。


麺の太さが少し違うことで、食感に変化が出ます。


  • 太い麺は、噛んだ時に小麦の甘みを感じやすい

  • 細い麺は、出汁をまといやすい

  • ねじれた麺は、口の中で動きが出る


この「まばらさ」を楽しんでいただきたいから、純手打ちにしています。


均一であることだけが、美味しさではありません。むしろ、まばらだからこそ生まれる味があります。毎日同じように打っていても、気温や湿度、小麦の状態で微妙に変わる。その揺らぎも含めて、手打ちのうどんです。


「出汁が薄い」と感じる理由は、味の濃さの基準が違うからです


問題は、出汁です。


うちの出汁については、かなり完成度が高いと自負しています。素材は厳選していますし、手間も惜しんでいません。原価が高くても、そこは削れません。


レシピは、「神の舌」と呼んでいるエドが研究を重ねた黄金比です。細かい理屈を並べるより、ひと言で言えば、美味しい。それに尽きます。


実際に、「この出汁を持って帰りたい」「売ってほしい」と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。旅行中に再来店してくださる海外のお客様もいます。Googleに満点の口コミを書いてくださる方もいます。


それでも、「薄い」と感じる方がいる。


これは、出汁そのものの問題というより、普段食べている味の基準の違いが大きいのではないかと思っています。


濃い味、強い塩味、化学調味料のはっきりした旨み。それらに慣れていると、天然の出汁の味は弱く感じることがあります。天然の旨みは、舌にドンと来るというより、後からじんわり広がります。


口に入れた瞬間だけで判断すると、物足りなく感じるかもしれません。けれど、食べ進めるほどに香りが立ち、余韻が残る。それが、うちの出汁です。


うちの出汁は、濃い味ではなく深い味を目指しています


出汁が薄いと言われる理由と純手打ちうどんへのこだわりを考える時、いちばん大事なのは「薄い」と「上品」は紙一重だということです。


濃くするだけなら、方法はいくつもあります。塩を強くする。醤油を強くする。旨みを補う。味の輪郭をもっとわかりやすくすることもできます。


でも、それをしてしまうと、今の出汁ではなくなります。


うちが目指しているのは、飲んだ瞬間に派手な味ではありません。麺を食べ、出汁を飲み、また麺に戻った時に、ちゃんと美味しさが続く味です。


出汁は、うどんの主役でありながら、麺を邪魔してはいけません。小麦の香りを消してはいけない。ゆずや薬味が入るなら、その香りも受け止めたい。


だから、強すぎる味にはしません。



天然の出汁を知る機会が減っているのかもしれません


少し言いにくいことですが、天然の出汁をきちんと味わえる機会が、昔より減っているのではないかと感じます。


外食でも家庭でも、手軽でわかりやすい味は増えました。忙しい毎日の中で、それは悪いことではありません。安くて早くて満足できる食事に助けられることもあります。


今の日本では、若い方が気軽に贅沢をしにくい時代でもあります。食費を抑えなければいけないこともあるでしょう。毎日の暮らしの中で、本当に良い素材の出汁に触れる機会が少なくなっているのかもしれません。


そう考えると、「薄い」と感じる方がいるのも、ある意味では自然なことです。



誰が何と言おうと、この出汁は変えません


麺については、いろいろなご意見があっていいと思っています。


手打ちのまばらさが好きな方もいれば、均一な麺が好きな方もいます。食感の好みは人それぞれです。


でも、出汁だけはゆずれません。


エドもよく言います。


この出汁は、誰が何と言おうと絶対に変えない。これを変えるくらいなら、うどん屋をやめる。

それくらいの気持ちで作っています。


もちろん、すべての人に同じように美味しいと思っていただけるとは思っていません。味には好みがあります。口コミにいろいろな意見が出るのも、自然なことです。


それでも、うちの出汁を「美味しい」と言ってくださる方がたくさんいます。飲み干してくださる方がいます。持って帰りたいと言ってくださる方がいます。


その声がある限り、そして自分たちが心から美味しいと思える限り、原価が高くても、手間がかかっても、この出汁で生かせていただきます。


これからも、手で打ち、出汁を引き続けます


口コミの短い言葉だけを見ると、「麺がまばら」「出汁が薄い」という印象が残るかもしれません。


でも、その裏には理由があります。


麺がまばらなのは、純手打ちの食感を大切にしているから。

出汁が薄く感じられることがあるのは、天然の旨みがやさしく、余韻で味わうものだから。


うちのうどんは、派手な味ではありません。けれど、素材と手間を惜しまず、まじめに作っています。


もし一口目で判断せず、最後のひとすすりまで味わっていただけたら嬉しいです。きっと、出汁の奥にある香りや旨みを感じていただけると思います。


これからも、誰が何と言おうと、この出汁でいきます。

そして今日も、一本ずつまばらな麺を打ち、丁寧に出汁を引きます。


投稿:店主ちえ


 
 
 

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